世界美術館巡り旅

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カテゴリ:世界の美術館 > ポーランドの美術館

 2017年6月にクラクフ(ポーランド)に行きました。最大の目的が、世界で3作品しか残っていないレオナルド・ダ・ヴィンチ作女性肖像画のひとつ「白貂を抱く貴婦人」を鑑賞することでした。チャルトルスキ美術館が改修中で、作品をクラクフ国立博物館本館で鑑賞できました。ダ・ヴィンチに愛妾の肖像画を描いてもらったのがこの作品を、イタリア旅行でチャルトリスキ王子が購入したようです。
白貂を抱く貴婦人(レオナルド・ダ・ヴィンチ、1490年頃作)
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 絵はクラクフ国立博物館本館で見たのですが、改修中のチャルトリスキー美術館も見たいと思い行ってみました。美術館周りで撮った写真を追加して、再投稿しましす。公式HPから入手した作品の写真も紹介します。
チャルトリスキ美術館前景(公式HPから)
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改修中チャルトリスキ美術館での記念写真
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チャルトリスキ美術館北側部分の写真
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公式HPの写真と比べると、壁が白っぽかったです。塗り直したのかも知れません。
チャルトリスキ美術館建物の南側の様子
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南側を修復中のようで、足場とそのカバーが設置されていました。
大修道院長聖アントニウスと聖女ルチア
(カルロ・クリヴェッリ、1470年頃作)


聖セバスティヌスの殉教(ジクマリンゲン、1505~10年作)

受胎告知(伝ディルク・ボウツ作)
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ネーデルランド(現ベルギー)の初期フランドル派画家の作品です。ルネッサンス作品と比べると、聖母の位置が左右反転しています。
良きサマリア人の居る風景(レンブラント・ファン・レイン、1638年作)
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フレデリック・ショパンの肖像画
(スタニスラス・スタットラー、1858年作)
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男性の肖像(ルーカス・クラナッハ子作)
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貴婦人の肖像(ルーカス・クラナッハ子作)
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男性の肖像(ルーカス・クラナッハ子作)
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貴婦人の肖像(ルーカス・クラナッハ子作)
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貴婦人の肖像(ルーカス・クラナッハ子作)
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ポーランドの寓意(ヤン・マティコ、1864年作)
公式HPに沢山のクラナッハ作品(肖像画)が掲載されていました。
画家の名前に見覚えが無いが、気になった2作品を紹介します。
伝マグダラのマリア(イエジのマスター、1515年作)
アンナ・デ・ブーリンの肖像?
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受胎告知(イエジのマスター、1517年作)
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クラナッハの作品(肖像画)が多いのですが、ドイツ・東欧の美術館の間では普通かと思います。クラナハは工房を作り、大量に作品を残しました。西ヨーロッパでのラファエロの作品と同じ位置づけなのかと思います。

 2017年6月にワルシャワへ行き、ワルシャワ国立博物館(美術館)を訪問しました。ワルシャワ中央駅(宿泊ホテル)から5分程東へ歩いた所にありました。ポーランド人画家の作品が多いとの事でしたが、見ごたえのあるヨーロッパ絵画も多く展示されていました。近代・現代美術の展示はありませんでした。
ワルシャワ国立博物館前景(公式HPから)
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ワルシャワ国立博物館前での記念写真
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ここで一番有名な絵は次の作品のようです。
グルンヴァルトの戦い展示の様子(公式HPから)
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グルンヴァルトの戦い(ヤン・マティコ、1878年作)の前で
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ポーランドの歴史上有名な戦いのようです。非常に大きい絵でした。
聖母子像(ボッテチェリ作)
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聖母子像(ボッテチェリ作)の前で
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サン・セバスチャン(伝カラヴァッジョ作)
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天使に囲まれる聖母子(ヤーコブ・ヨルダーンス、17世紀中頃作)

静物(ウィレム・クラースゾーン・ヘーダ、17世紀中頃作)

聖母子(ジャンバティスタ・ピット―二、18世紀前半作)
聖家族(ジョバンニ・フランシスコ作)
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森の待ち伏せ(ヤン・ブリューゲル作)
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キリストの包衣の三連祭壇画(ヤン・ベルガム作)
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合奏(テオドール・ロンブーツ、17世紀前半作)
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この絵の作者は、カラヴァッジョ派のオランダ人画家のようです。
Heereman.Thomas(1660~1697)の作品
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この絵の画家も、良く分かりませんでした。
アダムとエヴァ(ルーカス・クラナハ作)貸出の表示
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クンスト・パラストに貸し出していると書かれていました。デュッセルドルフのクンスト・パラストで開催していた「ルーカス・クラナハ特別展」で数日前に見た作品でした。こんなこともあるのですネ。
スタンチク(ヤン・マティコ、1862年作)

オレンジを売るユダヤ女性(アレクサンデル・ギェルィムスキ、1881年作)

不思議な庭園(ユゼフ・メホフェル、1903年作)
小品の展示
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博物館という事で、王冠やその他の展示も一杯ありました。レンブラントやルーベンスの作品もありましたが、ピンボケの写真だったので紹介を省きました。

 2017年6月に、クラクフ(ポーランド)を観光しました。「白貂を抱く貴婦人(レオナルド・ダ・ヴィンチ作)」を見ようとヴァヴェル城に行ったところ、クラクフ国立博物館本館で展示されていると言われました。徒歩15分程でクラクフ旧市街の西端に出て、トラムの走る通り(ユジェファ・ピウスツキエゴ通り?)を更に5分程西に歩くとクラクフ国立博物館本館が見えてきました。
クラクフ国立博物館本館に続く道
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この写真の背中方向にクラクフ国立博物館本館があります。道の奥に見えるのが、旧市街城壁撤去後の公園に生えた木々です。
クラクフ国立博物館本館前景
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前庭には塑像やオブジェがありました。
前庭の塑像とベンチ
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クラクフ国立博物館本館玄関での記念撮影
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 玄関を入ると切符売り場窓口があり、「ダ・ヴィンチの絵(Painting)」と言うと切符を2枚くれました。無料だとの事でした。本館全体の切符は有料ですが、ダ・ヴィンチの作品だけの切符は無料のようでした。
 早速「白貂を抱く貴婦人」の展示室に行きました。部屋は非常に暗く、作品に暗めのスポット・ライトが当たっていました。空いていたので近寄って斜めから良く見たところ予想以上に平坦で、絵の具の凹凸はほとんど見られませんでした。かなり短期間で、サラッと描かれたようでした。
白貂を抱く貴婦人(レオナルド・ダ・ヴィンチ作)
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 暗闇に学芸員と警備員が居たので「写真を撮って良いか?」と聞いてみたところ、「ダメ。部屋の外のコピーを撮れ。」との回答でした。
 部屋の外には作品のコピーが準備されていました。その前で、記念写真を撮りました。
白貂を抱く貴婦人のコピーの前で記念写真
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このコピーは実物の一回りも二回りも大きく拡大されていました。コピーの横には説明用(動画)のモニター・パネルもありました。
白貂を抱く貴婦人 説明パネル
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 貰った切符で他の展示室に入ろうとしてみましたが、入口で切符を見られて「ダメ。」と言われました。ポーランド人画家の作品しか展示されていないと思い、切符を買ってまでは、鑑賞しませんでした。土産物屋を見てから、退館しました。
土産物店の様子
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 帰国後調べたら、ヨーロッパ作品や浮世絵も所蔵・展示しているようです。インターネット公式HPの写真から、所蔵・展示品を紹介します。
磔刑(パオロ・ヴェネツァーノ、1340~50年作)

キリストへの礼拝(ローレンツオ・ロット、1508年作)

キリストの捕縛(ヤン・ホッサールト、1527年作)

犬と少年の肖像(コリネリス・デ・ヴォス、17世紀前半作)

聖ペテロの否認(ディルク・ファン・バビューレン、1624年作)

マリー・ヴィラ―の肖像(アンソニー・ヴァン・ダイク、1633年作)

弓を持つ少年(ニコラース・マース、1674年作)

プロイセンの臣従(ヤン・マティコ、1833年作)
家族の肖像(ボナール作)
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母子(ルノアール作)
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静物(ブラマンク作)
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歌川国芳の浮世絵
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喜多川歌麿の浮世絵
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ここからはポーランドやハンガリーなどの画家の作品と思われます。
madonna_fot_MSzczypinski
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イコン(Matka-boska)
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受胎告知?(zwiastowania)
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Macierzynstwo_Wyspianski
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展示の様子
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 クラクフにある美術館は全て、このクラクフ国立博物館の傘下に入っているようです。ここに紹介した作品が必ずしもこの本館に展示されている訳ではないようです。ヨーロッパ絵画はエウロペウムに展示されていた作品も、公式HPに所蔵品として掲載されていました。この本館に展示されているのは、ポーランド地元画家と日本の浮世絵辺りかと推定します。良くご理解の上、入場券をご購入願います。

 2017年6月にワルシャワへ行き、ワルシャワ国立博物館(美術館)を訪問しました。今回はテォドール・ロンバウツ作「カード・プレイヤー」を紹介します。
 テォドール・ロンバウツ(1597~1637年)はカラヴァジストのフランドル画家です。アントウェペンで仕立て屋主人の息子に生まれました。何人かの画家に師事した後1616~25年の間イタリアを旅行して、カラヴァジストに出会いました。1625年にアントウェルペンに戻り、聖ルカ組合に親方として入会しました。1628~30年の間、聖ルカ組合の執事をしました。宗教画と風俗画を多く描きました。リュート弾きやカード遊びの光景は、多く描いたようです。横長の画面に複数人の人物を描き込むのが得意な画風のようです。風俗画も比較的教育的や平和的な場面が多そうです。
 この絵もリュート弾きとカード遊びをする人たちと夫々の関係者のようです。イカサマやインチキを描いているようには見えません。当時の風俗を知る上に有効な作品が多く描かれたようです。 
カード・プレイヤー(テオドール・ロンバウツ、1635年作)

聖ペテロの否定(テオドール・ロンバウツ、1625~30年作、リヒテンシュタイン美術館蔵)

インチキ歯医者(テオドール・ロンバウツ、1620~25年作、プラド美術館蔵)

     

 2017年6月にワルシャワへ行き、ワルシャワ国立博物館(美術館)を訪問しました。今回はヤーコブ・ヨルダーンス作「天使と聖人に囲まれる聖母子」を紹介します。
 ヤーコブ・ヨルダーンス(1593~1678年)はアントウェルペンの裕福な家庭に生まれました。アントウェルペンでアダム・ファン・ノールドに師事して、自立後早々にその娘(長姉)と結婚しました。師匠から将来を嘱望されたエリート画家でした。ルーベンスとも数年間兄弟弟子の関係だったようです。ヨルダーンスには各国の王様・貴族・金持ちから依頼が来て、たいそう忙しかったようです。現存する作品の大部分は宗教画・歴史画です。肖像画や風俗画も描いたようです。風俗画は、「大人が歌えば子供が笛を吹く(大人は子供の手本となれ)」、「王様の祭り(長老を大事にしろ)」など教育的・道徳的な作品が多そうです。エリート画家らしい作品です。
 「天使と聖人に囲まれる聖母子」はインターネットで調べても、ワルシャワ国立美術館関連の記事にしか出て来ません。旧ソ連圏美術館所蔵なので情報が少なかったのかもしれません。画風からはヨルダーンスの作品だと思われますが、極端に横長なのと人物が余りのも生々しく(人間ポッイというか俗人ポイと言うか)、特殊な絵です。キリストは青い服と髪飾りをつけています。多くの絵では洗礼者ヨハネは裸で、この絵でも羊の上に乗せられています。右の聖人の衣装の描き込みが尋常ではなく、この作品の主人公のように見えます。衣装から教皇ではなく、司教・司祭辺りかと思われます。
 ポーランドの守護聖人を調べると候補として、聖ヨハネ(ケンティ)司祭が上がりました。1390年にポーランドのケンティで生まれ、1413年クラクフ大学(現ヤギェウォ大学)入学しました。8年ほどテンプル騎士団で教鞭を取ったのち、クラクフ大学に戻りました。神学や哲学の教授を長く勤め、高い学位を望む学生はヨハネ(ケンティ)の残した服に祈ったと伝わります。ポーランドの守護聖人の一人です。クラクフ大学関係者か成功した学生の子孫がヨルダーンスに依頼したかと思われます。その後ポーランドから外部流出しなかったのでしょう。極端に横長なのは飾る場所(壁)を決めてから依頼した特注品だからかと思われます。
天使と聖人に囲まれる聖母子(ヤーコブ・ヨルダーンス作)
                 

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