2017年6月アントワープ王立美術館(アントワープ/ベルギー)に行きました。
 ルーカス・クラナハ父(1472~1553年)はドイツのヴィッテンベルクに工房を構え、ザクセン選帝侯フリードリヒ3世の御用画家として多くの作品を残しました。
 ルーカス・クラナッハ父は多くの「アダムとエヴァ」を描いていますが、二枚の立像で描いています。一枚のパネルで描いているのは、コートールド美術館所蔵作品とここで所蔵されている一枚だけです。コートールド美術館所蔵品は多くの動物も描いています。それが一枚で描いた理由と思われます。このアントワープ王立美術館所蔵品は理解不能です。他の作品と違い、アダムがエヴァを見ていません。アダムとエヴァの容貌も何となく違い、工房の作品と思われます。
  「エヴァ」は容貌や描き方から、ルーカス・クラナッハの真筆と思われます。ウフィツイ美術館所蔵品と似た構成で、アダムとエヴァの対作品から(何らかの理由で)切り出したように思えます。非常に完成度が高い作品で、アダムとエヴァで揃っていたらルーカス・クラナッハ父の最高傑作「アダムとエヴァ」だったような気がします。
エヴァ(ルーカス・クラナッハ、1528~30年作)
アダムとエヴァ(ルーカス・クラナッハ工房作)
アダムとエヴァ(ルーカス・クラナッハ、1526年作、コートールド美術研究所蔵)

アダムとエヴァ
(ルーカス・クラナッハ父、1528年作、ウフィツィ美術館蔵)

アダムとエヴァ
(ルーカス・クラナッハ父、1508~10年作、ブザンソン美術館蔵)

アダムとエヴァ
(ルーカス・クラナッハ父、1510~20年作、ウィーン美術史博物館蔵)