2017年6月にベルギー王立美術館(ブリュッセル)に行きました。今回は、ルネ・マグリット作「楕円」を紹介します。
ルネ・マグリット(1898~1967年)はベルギー西部レシーヌで生まれ、14歳の時に母が理由不明の入水自殺をし、1916年に(18歳で)ブリュッセル美術学校に入学しました。シュールレアリスム画家に分類されています。シュールレアリスムは元来は、既成概念・道徳などに囚われずに自由に思いつくままに記述する・描写するということです。これが進んで既成概念・道徳に反する芸術も含まれたようです。
ルネ・マグリットは1922年に幼馴染のジョルジェット・ベリジェと結婚しました。1923年にジョルジョ・デ・キリコ作「愛の歌」の複製を見て、大変感銘を受けたようです。この後、シュールレアリスムに傾倒していったようです。ルネ・マグリットは1927年にベルギー ブリュッセルで本人初めての個展を開催しましたが、不評でした。それを機に3年ほどパリに滞在して、新進画家・シュールレアリスム画家と交流を深めたようです。シュールレアリスムの理論指導者だったアンドレ・ブルトンと馬が合わず、1930年にブリュッセルに戻りました。3LDKのアパートに夫婦と犬で住み、小市民的生活に徹しました。
ルネ・マグリット(1898~1967年)はベルギー西部レシーヌで生まれ、14歳の時に母が理由不明の入水自殺をし、1916年に(18歳で)ブリュッセル美術学校に入学しました。シュールレアリスム画家に分類されています。シュールレアリスムは元来は、既成概念・道徳などに囚われずに自由に思いつくままに記述する・描写するということです。これが進んで既成概念・道徳に反する芸術も含まれたようです。
ルネ・マグリットは1922年に幼馴染のジョルジェット・ベリジェと結婚しました。1923年にジョルジョ・デ・キリコ作「愛の歌」の複製を見て、大変感銘を受けたようです。この後、シュールレアリスムに傾倒していったようです。ルネ・マグリットは1927年にベルギー ブリュッセルで本人初めての個展を開催しましたが、不評でした。それを機に3年ほどパリに滞在して、新進画家・シュールレアリスム画家と交流を深めたようです。シュールレアリスムの理論指導者だったアンドレ・ブルトンと馬が合わず、1930年にブリュッセルに戻りました。3LDKのアパートに夫婦と犬で住み、小市民的生活に徹しました。
シュールレアリスムのリーダー格のアンドレ・ブルトンは大学の精神医学科で、フロイト哲学も学びました。学業途中で第一次世界大戦勃発され、従軍しました。退役後、ダダイズムの人々と交流しました。やがてそれには飽き足らず、シュールレアリスム運動を始めました。宣言を見て見ると、理性・現実・正義などから完全決別して芸術・創作活動する事を目指していたようです。結局、キリコやマグリットは着いていけなかったようです。二人とも彼らから距離をとりました。二人ともシュールレアリスムに近いが、現実にあるかもしれない世界を描きました。評論家は、形而上学的絵画と名付けました。
第二次世界大戦も終わり、世の中も落ち着いてきました。ルネ・マグリットは独自の画風を確立したいと焦っていました。1950年以降は独自の世界を描くようになりましたが、その直前の苦しい時期でした。シュールレアリスム運動が商業的で、ツマラナイと結論付けたようです。自分の中に残ったシュールレアリスムと傲慢なパリ芸術界の影響・遺産を取り除きたいと焦っていたようです。
原語の画題は「L'ellipse」で、直訳すると「楕円」です。古代ギリシャ語の不足・欠損が語源です。円というには不足な形という意味でしょうか。絵の構成を見てみます。この男は眼の付いた帽子を被り、シュールレアリスムから抜け切れていないことを示しています。右手には左手が描かれ、その上に右手が重なっています。ちぐはぐです。肌の色は緑で、ブリュッセル・自宅に根を張ったようです。両目はまん丸で、鼻は銃口です。まだシュールレアリスムとパリ芸術から脱却できていないとの自画像なんでしょうか?
第二次世界大戦も終わり、世の中も落ち着いてきました。ルネ・マグリットは独自の画風を確立したいと焦っていました。1950年以降は独自の世界を描くようになりましたが、その直前の苦しい時期でした。シュールレアリスム運動が商業的で、ツマラナイと結論付けたようです。自分の中に残ったシュールレアリスムと傲慢なパリ芸術界の影響・遺産を取り除きたいと焦っていたようです。
原語の画題は「L'ellipse」で、直訳すると「楕円」です。古代ギリシャ語の不足・欠損が語源です。円というには不足な形という意味でしょうか。絵の構成を見てみます。この男は眼の付いた帽子を被り、シュールレアリスムから抜け切れていないことを示しています。右手には左手が描かれ、その上に右手が重なっています。ちぐはぐです。肌の色は緑で、ブリュッセル・自宅に根を張ったようです。両目はまん丸で、鼻は銃口です。まだシュールレアリスムとパリ芸術から脱却できていないとの自画像なんでしょうか?
楕円(ルネ・マグリット、1948年作)







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