2013年3月にブレラ美術館(ミラノ)を訪問しました。今回は、ヤコポ・ティントレット作「十字架に祈る聖ヘレナと聖バルバラ」を紹介します。
ヤコポ・ティントレット(1518~1594年)はルネッサンス後期のヴェネツィア派画家です。登場人物の動きを適格に描写して、ダ・ヴィンチやティッツアーノから更に進歩したという印象です。特に二点消失遠近法駆使では、独壇場です。
ヤコパ・ティントレットは1518年にヴェネツィアの染物屋の息子として生まれました。ティントレットとは、「染物屋の息子」とう意味です。ティッツアーノに師事して、1539年に(21歳で)マエストロを自称しました。独り立ちしたと思われます。
「十字架に祈る聖ヘレナと聖バルバラ」にはティントレット得意の二点消失遠近法を使っていません。奥行き感の無い作品です。聖ヘレナは320年頃にゴルゴダに巡礼して、キリストの十字架を発見したと伝わります。ローマ皇帝コンスタンティヌス・クロルスの捕虜に囚われ、その後妾となった。やがてコンスタンティヌス・クロルスが亡くなり、彼女の息子のコンスタンティヌスが副帝となった。313年に国教がキリスト教に変更になると、息子から十字架を捜索するように言われた。その結果、十字架・釘・槍・三博士の遺骸も発見した。それらの奇跡により、ギリシャ正教・カソリック共に聖人に列挙された。20世紀半ば過ぎに奇跡の実在性を示す証拠がないことから、カソリックの聖人からは外された。聖バルバラはキリスト教を信じたが、父親から塔に閉じ込められた。やがて剣で殺され殉教した。右側の女性が塔を抱えているので、聖バルバラです。左側が、聖ヘレナです。左奥が洗礼者ヨハネ、左前が聖パウロかと思います。右下の黒い服装の人物が、寄進者・委嘱者と思われます。右上の聖人が、寄進者の守護聖人かと思われます。特徴が少なく、判定できません。ヴェネツィアの守護聖人の福音書記者聖マルコの可能性も考えましたが、そうとも決めきれませんでした。
人物の顔や手先を見るとティントレット作品かと思われますが、それ以外は手抜きのように見えます。原因は分かりません。
「十字架に祈る聖ヘレナと聖バルバラ」にはティントレット得意の二点消失遠近法を使っていません。奥行き感の無い作品です。聖ヘレナは320年頃にゴルゴダに巡礼して、キリストの十字架を発見したと伝わります。ローマ皇帝コンスタンティヌス・クロルスの捕虜に囚われ、その後妾となった。やがてコンスタンティヌス・クロルスが亡くなり、彼女の息子のコンスタンティヌスが副帝となった。313年に国教がキリスト教に変更になると、息子から十字架を捜索するように言われた。その結果、十字架・釘・槍・三博士の遺骸も発見した。それらの奇跡により、ギリシャ正教・カソリック共に聖人に列挙された。20世紀半ば過ぎに奇跡の実在性を示す証拠がないことから、カソリックの聖人からは外された。聖バルバラはキリスト教を信じたが、父親から塔に閉じ込められた。やがて剣で殺され殉教した。右側の女性が塔を抱えているので、聖バルバラです。左側が、聖ヘレナです。左奥が洗礼者ヨハネ、左前が聖パウロかと思います。右下の黒い服装の人物が、寄進者・委嘱者と思われます。右上の聖人が、寄進者の守護聖人かと思われます。特徴が少なく、判定できません。ヴェネツィアの守護聖人の福音書記者聖マルコの可能性も考えましたが、そうとも決めきれませんでした。
人物の顔や手先を見るとティントレット作品かと思われますが、それ以外は手抜きのように見えます。原因は分かりません。















