2012年7月にオルセー美術館を訪問しました。今回は、ウィリアム・アドルフ・ブグロー作「ヴィーナスの誕生」を紹介します。
ウィリアム・アドルフ・ブグロー(1825~1905年)は新古典主義の流れをくむ、フランス人画家です。美しい女性を描いた作品が多数残っています。ウィリアム・アドルフ・ブグローはフランス北西部の港町ラ・ロシェルに生まれました。1846年パリに出て、エコール・ド・ボザールで学びました。1850年にローマ賞を受賞して権利と資金を得て、4年間イタリアに留学しました。1876年にアカデミー会員に選ばれ、1888年にエコール・ド・ボザールの教授に就任しました。
ブグローはカバネルと同等のデッサン力ですが、何故か生身の人間と言うか感情を描き出しています。カバネルの裸婦は実際の女性と言うより、石膏像・女神と感じます。ブグローのそれは美しい女性と見えます。ブグローのヴィーナスが誕生して、貝殻に乗って海からキプロス島に移動しています。貝殻はイルカが引っ張ています。周りには、天使やニンフなどが集まっています。夫々が生身の人間のように、ヴィーナスを見つめています。ヴィーナスの誕生(ウィリアム・アドルフ・ブグロー、1879年作)
