世界美術館巡り旅

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2023年12月

 2015年4月にスコットランド・ナショナルギャラリー(エジンバラ)を訪問しました。今回はサンドロ・ボッティチェリ作「眠るキリストを礼拝する聖母」を紹介します。
  サンドロ・ボッティチェリ(1445~1510年)はフィレンツェで、皮なめし職人の息子に生まれました。1464~67年の間フィリッポ・リッピの工房で修業しました。その後、ポッライオーロやヴェロッキオの工房に出入りしました。1469年に独立し、1472年聖ルカ組合に加入しました。1470年代、80年代に「ヴィーナスの誕生」や「四季 春」などの傑作を描きました。
 「眠るキリストを礼拝する聖母」は1490年に描かれたと伝わります。工房作だと思われますが、眠るキリストと聖母の顔・手辺りはボッティチェリの直筆のように見えます。背景や衣服は少し単調で、助手が描いたのでしょうか?
眠るキリストを礼拝する聖母(サンドロ・ボッティチェリ、1490年作)
眠るキリストに礼拝する聖母 ボッティチェリ作

 2015年4月スコットランドに行った機会に、ケルビン・グローブ美術館(グラスゴー)に行きました。今回は、コンスタント・トロイヨン作「市場からの帰り」を紹介します。
 コンスタント・トロイヨン(1810~1865年)はヴェルサイユ近くのセーヴルで、装飾画家剣金箔職人の息子に生まれました。セーヴル美術館の学芸員兼画家に師事し、当初は風景画→動物画→家畜画へと興味が移りました。1845年にパリに出て、1849年にレジオンドヌール勲章を授与され、ナイトに叙されました。日本では余り有名ではありませんが、フランスではよく知られた画家のようです。ルーヴル美術館やオルセー美術館が所蔵・展示しています。
 「市場からの帰り」は市場で売れ残った牛や羊を連れて帰る様子なんでしょうか?そうだとしたら哀しいですですね。
市場からの帰り(コンスタント・トロイヨン作)
市場からの帰り コンスタント・トロイヨン
ガチョウの飼育係の牧草地(コンスタント・トロイヨン作、オルセー美術館蔵)
小さな群れ(コンスタント・トロイヨン作、ルーヴル美術館蔵)


 2015年4月スコットランドに行った機会に、ケルビン・グローブ美術館(グラスゴー)に行きました。今回は、エドワード・バーン・ジョーンズ作「ブラスの塔のダナエ」を紹介します。
 
エドワード・バーン・ジョーンズ(1833~1898年)はバーミンガムでメッキ職人の息子に生まれました。生まれて僅か6日で母親が亡くなりました。1848~52年でオックスフォード大学エクスター・カレッジで神学を学びました。ウィリアム・モリスと知り合い、美術へと方向転換しました。ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの下で絵画を学びました。ステンドグラスの伝統技術復活を目指しました。1877年にグロウブナ―・ギャラリーで8点の油彩画を出品して、耽美主義の先駆者として注目を浴びました。1881年にオックスフォード大学から名誉学位を、1883年に特待交友の称号を受けました。1885年にバーミンガム芸術家協会会長に就任、1894年にナイトに叙されました。
 ダナエとはギリシャ神話に出て来る女性で、ティツィアーノ作の「ダナエ」が有名です。王女のダナエが子を産むと父王が殺されるとの予言を受け、ダナエをとうに幽閉することを決めました。ところがゼウスが金の雨となって侵入して、ダナエは子を宿した。金の雨は、金貨で召使を調略したことの火床と思います。「ブラスの塔のダナエ」は幽閉される塔の建設進行を盗み見しているダナエを描いたと思われます。色遣いがエドワード・バーン・ジョーンズらしい感じです。ステンドグラスが起点なので、色彩感覚や描き方が他の画家とは違うように思えます。
ブラスの塔のダナエ(エドワード・バーン・ジョーンズ作)
ブラスの塔のダナエ エドワード・バーン・ジョーンズ
ダナエ
(ティツィアーノ・ヴェチェッリオ、1544年作、カポディモンテ美術館蔵)

 2015年4月スコットランドに行った機会に、ケルビン・グローブ美術館(グラスゴー)に行きました。今回は、ジョン・エヴァレット・ミレイ作「収集の情熱」を紹介します。
 ジョン・エヴァレット・ミレイ(1829~1896年)はイングランド南部サザンプトンで馬具製造業者の息子に生まれました。幼い頃からの画才を見込んで、家族は1939年にロンドンへ移住しました。1940年に(11歳で)ロイヤル・アカデミー付属美術学校に史上最年少で入学しました。1846年に(17歳で)ロイヤル・アカデミー年次展に入賞しました。1848年に名k的ラファエル前派を設立しました。1850年に「両親の家のキリスト」を発表し、(普通の少年のように描いたと)非難を浴びました。1852年発表の「オフィーリア」は高い評価を受けました。
 「収集の情熱」は「鳥類学者」とも呼ばれていたと記憶します。鳥類のはく製や模型を子供たちが興味深げに見つめています。空間や雰囲気を非常にうまく描いています。
収集の情熱(ジョン・エヴァレット・ミレイ、1885年作)
The Ornithologist  ミレイ

 2015年4月スコットランドに行った機会に、ケルビン・グローブ美術館(グラスゴー)に行きました。今回は、ローレンス・アルマ・タデマ作「芸術愛好家」を紹介します。
 ローレンス・アルマ・タデマ(1836~1912年)はオランダで公証人の息子に生まれました。アントウェルペン王立芸術学院で絵画を学びました。1863年に結婚して、ブリュッセルで暮らしました。1864年にパリのサロンでメダル受賞、1867年にパリ万博で入賞しました。1869年に妻を亡くし、普仏戦争を逃れて1870年にイギリスに移住・帰化しました。歴史をテーマに写実的な絵を描きました。歴史画を多く残した画家です。1876年にロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの準会員に、1879年に正会員に選ばれました。
  古代ローマの芸術愛好家をテーマに幾つかの作品を描きました。本作品は縦長画面に描いて、雰囲気を変えています。建物の天井を高く描いて、ローマ建築の壮大さを一段と醸し出しています。
芸術愛好家(ローレンス・アルマ・タデマ作)
芸術愛好  ローレンス・アルマ・タデマ
ローマ人の芸術愛好家
(ローレンス・アルマ・タデマ、1868年作、イェール大学ギャラリー蔵)
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ローマ人の芸術愛好者(ローレンス・アルマ・タデマ作、ミルウォーキー美術館蔵)
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