世界美術館巡り旅

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 次回の旅行で、ルーマニア国立美術館(ブカレスト)を訪問するつもりでした。飛行機の便の乗り継ぎや料金の高さから、次々回以降に回ることにしました。未練がましいのですが、公式HPを調べて見ました。削進を紹介します。流石国立美術館で、見てみたい絵が何枚かありました。次回の旅行でブカレストに行けないか、再検討してみます。
ルーマニア国立美術館前景
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展示室の様子
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聖母子(ハンス・メムリンク作)

奉献者(ハンス・メムリンク作)
聖母子(ドメニコ・ヴェネツィアーノ作)
ヴィーナスとアモル(ルーカス・クラナハ作)

四季・春(ピーテル・ブリューゲル子作)

四季・夏(ピーテル・ブリューゲル子作)

四季・秋(ピーテル・ブリューゲル子作)

四季・冬(ピーテル・ブリューゲル子作)
花束(ヤン・ブリューゲル作)
受胎告知(ティントレット作)
ライオンと闘うヘラクルス(ピーテル・パウル・ルーベンス作)
羊飼いの礼拝(エル・グレコ作)
マリアの結婚(エル・グレコ作)

聖モーリスの殉教と一万人のテーベ軍(エル・グレコ作)

エステルに命乞いするハマン(レンブラント・ファン・レイン作)

三美神(ハンス・フォン・アーヘン作)

ダゲッソー夫人(ヴィジェ・ルブラン作)

冬のモレの教会(シスレー作)
緑衣の女(伝モネ、1866年作)
緑衣の女(クロード・モネ、1866年作、ブレーメン美術館蔵)
この絵は、モネの出世作です。ブレーメン美術館所蔵品は、顔の描き込み等をみると真作と思えます。ルーマニア国立美術館の作品は、描き込みが甘い。モデルは新妻のカミュです。チョット怪しいですネ。

 2013年3月にアッカデミア美術館(ベネツィア)を訪問しました。今回は、ヒエロニムス・ボス作「聖ウィルゲフォルティスの磔刑」を紹介します。
 ヒエロニムス・ボス(1450年頃~1516年)は、ベルギー国境近くの地方都市で画家一族に生まれました。祖父、父、三人の叔父、兄も画家であったようです。裕福な家の娘と結婚し、「聖母マリア兄弟会」に入会して幹部となっていたようです。「兄弟」と入っているのと既存教会に問題視していることから、フランシスコ会に近い団体と思われます。。
 13世紀初頭アッシジ(イタリア)のフランチェスコは裕福な家に生まれ、前半生は浪費で過ごしました。病気を機会に「神」を意識するようになり、特にハンセン氏病患者に奉仕をしました。キリスト教の戒律を厳しく守り、堕落した既存教会に反抗しました。これに因んだ「フランシスコ会」は、自ら達を「小さき兄弟会」と呼んでいました。
 ヒエロニムス・ボスの心には、堕落した既存教会への反発、聖人への尊敬、最後の審判への恐れがあったと思われます。それを絵画に表現しました。その際既存教会から迫害されるのを恐れ、難解な比喩・描き換えを行いました。それが、シューリアリスムを連想させると考えます。既存教会勢力(多額の寄付や教義を盾にした制約)に困っていた王侯貴族が、彼の絵に共感して争って依頼・購入しようとしました。
 「聖ウィルゲフォルティスの三連祭壇画」はヴェネツィアのドゥカーレ宮殿に飾られていたとの記録があるようです。磔に遭っている聖女が誰か議論が続いていたが、修復で髭が生えている事が分かりました。聖ウィルゲフォルティスは父親にイスラム王と結婚するように言われましたが、自分の美しさが失われるように神に祈りました。やがて髭が生えて、イスラム王との婚約は解消されました。父親は怒って、彼女を磔にしたとの伝説が残っています。ヒエロニムス・ボスがイタリア旅行をした際に、委嘱されたと思われます。火事に遭ったようで、可成り傷んでいます。登場人物の容貌などを見ると、真筆と思えます。
  左翼は聖アントニウスと遠方の火災と逃げる庶民(最後の審判の象徴か?)が、右翼には奴隷承認の修道士と兵士が磔刑を指さして見ています。中央パネルでは、磔刑を六自他父親王が倒れています。ここまで描かれると信仰の貴さよりも、反イスラムの主張なんでしょうか。ヴェネツィアはイスラムからの攻撃を恐れて、講和条約を結んでいたようです。それに不満な貴族・承認も居たのでしょう。フィレンツエ辺りも、反イスラムが強いです。
聖ウィルゲフォルティスの三連祭壇画(ヒエロニムス・ボス、1497年頃作)



 2019年7月にスロヴァキア国立美術館(ブラチスラヴァ)へ行きました。一年ほど前に一流美術館(西洋絵画美術館)のヨーロッパ東南限はどこだろうと興味が湧き、スロヴァキア国立美術館(ブラチスラヴァ)の公式HPを調べて見ました。展示物を見る限り、美術館というより博物館という感じでした。地元画家の絵画展示がメインで、ビッグネーム画家の作品展示はなさそうでした。ウィーン再訪とブダペスト訪問のついでに、ブラチスラヴァ(スロヴァキア)も観光しました。スロヴァキア国立美術館に行ってみたら、本館は改装工事中・閉館中でした。右隣に新館で少し展示がありましたが、絵画の展示はありませんでした。訪問時の写真と公式HPの写真を紹介します。
改装前のスロヴァキア国立美術館本館前景(Wikipediaから)
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 相当古い写真のようで、右隣(右奥)にある新館が写っていません。この本館を入ると中庭があって、旧館があるようです。
スロヴァキア国立美術館の本館と新館前景
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 右側の建物が新館です。垂れ幕の下辺りに入り口があります。
スロヴァキア国立美術館新館前で記念撮影
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スロヴァキア国立美術館本館改修工事現場前で前日の記念撮影
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 新館内部に絵画の展示がありませんでした。博物館風の展示と廊下に多少写真がある程度でした。
スロヴァキア国立美術館新館入り口で記念撮影
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新館入り口ロビー脇で記念撮影
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作家らしき人物の展示室の馬剥製の横で記念撮影
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廊下の所蔵品らしき写真のポスター
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ここからは公式HPの写真を紹介します。
中庭の様子(公式HPから)
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展示の様子(公式HPから)
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展示の様子(公式HPから)
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神秘の羊(公式HPから)
c_karpatske_nem_3[1]
最後の晩餐(?)の塑像(公式HPから)
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受胎告知の祭壇画(スピシュケー・ポラジュダ、1490年頃作)
受胎告知 Tabuľa Mariánskeho oltára
マグダラのマリア(ヒリス・コワニエ、16世紀作)
マグダラのマリア Gillis Coignet
アレクサンドリアの聖カトリーヌ(シモン・ヴーエ、17世紀作)
アレクサンドリアの聖カトリーヌ シモン・ヴーエ
 ヨハンナ・ヴィセルの肖像(ダーフィット・バイリー、1652年作
David Bailly ヨハンな・ヴィセルの肖像
 雄鶏の戦い(ヤコブ・ボグダン、17世紀作
Jakub Bogdan 雄鶏の戦いOkolo
夕方の祈り(グスタフ・マリー、1910~11年作)
Gustáv Mallý Večerná modlitba居間の祈り
歴史画(ヤーコフ・デ・ヴィット作)
歴史画 ヤーコブ・デ・ヴィット
港の帆船(ヤン・ファン・ホーイエン、17世紀作)
港の帆船 ヤン・ファン・ホイエン
自画像
アーノルド・ピーター・ヴァイズ・クビンチャン、1917年作)
jigazo  Arnold Peter Weisz-Kubínčan
 ルネッサンスや印象派の生品は余り所蔵・展示されていないようです。どちらにしろ改修工事が完了するまで、絵画の展示は期待薄です。
 欧州の一流絵画美術館の東南限は、ブダぺストのようです。ブダペスト西洋美術館とハンガリー国立美術館の所蔵品は一流でした。

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