世界美術館巡り旅

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 アイルランド国立美術館とダブリン市立美術館が有名ですが、アイルランド現代美術館もダブリンにあるようです。公式HPを調べてみました。
アイルランド現代美術館前景(Wikipediaから)
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アイルランド現代美術館遠景(公式HPから)
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アイルランド現代美術館展示の様子(公式HPから)
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アイルランド現代美術館現代美術作品展示(公式HPから)
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アイルランド現代美術館オブジェ展示(公式HPから)
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濡らしたトイレットペーパーのオブジェ
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アマンダ・クーガンの作品
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 この美術館には1900~50年の絵画作品と、古典プリント作品(ザ・マッデン・アーンホルツ・コレクション)も所蔵・展示されているようです。コレクションには、デューラー/レンブラント/ゴヤ/ホガースの作品が含まれているようです。いくつか紹介します。
イル・トロヴァトーレ(ジョルジュ・ド・キリコ、1960年頃作)
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自画像(ルシアン・フロイド作)
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子供
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スペイン版(フランシスコ・デ・ゴヤ、1825年印刷)
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納屋でドレスを着る散歩女優(ウィリアム・ホガース作)
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真夜中の現代の会話(ウィリアム・ホガース、1732印刷)
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ジンのレーン(ウィリアム・ホガース、18世紀印刷)
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写真を吸う時間(ウィリアム・ホガース、1761年印刷)
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バベルの塔(アントン・ジョセフ作)
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入場料無料のようです。ダブリン訪問時には、行ってみる価値がありそうです。

 2017年6月アントワープ王立美術館(アントワープ/ベルギー)に行きました。今回は、ルーカス・クラナハ父作「慈愛」を紹介します。
 ルーカス・クラナハ父(1472~1553年)はルネサンス期のドイツ人画家です。ピッテンベルクに工房を構え、ザクセン選帝侯フリードリヒ3世の御用絵師だったと伝わります。マルティン・ルターと友人関係だったようです。ルーカス・クラナハ子も画風が似ていますが、子の生年(1515年)から考えて1530年代までの作品は父親の作品と思われます。それ以降の作品の判定は難しいと思います。子の方が写実的で発色が良く、父親の方が観念的・装飾的な画風に感じます。
 ルーカス・クラナハ父は前半生では、宗教画・肖像画がメインでした。御用絵師になった以降も、他の依頼を受けたようです。神話・聖書を題材にした裸婦画、寓話画も多く描きました。「慈愛」は慈悲とも繋がり画面で若い母親が授乳して、他の赤ん坊二人も世話しています。戒律と寄付に厳しいカソリック教会に反発するプロテスタントの絵だという評論家もいるようです。
 ルーカス・クラナハ父は「アダムとエヴァ」と多数描いていますが、楽園を追放されるアダムとエヴァは一枚も描いていません。この「慈愛」も上部にリンゴを描いています。恋愛などを肯定した大らかな画題です。プロテスタント(カソリック教会に反抗する)というよりも、現生を肯定する絵です。貴族か裕福な商人などからの依頼品のように思えます。
 ルーカス・クラナハ父の作品は、ルネッサンス風(微妙なグラデーションで立体的に描く、油絵風)、ゴシック風(定型的・色を置いた感じの画風、テンペラ風)と組み合わせた画風のものがあります。人物・人体・薄布はルネッサンス風で統一されています。衣服・衣装や背景の一部がゴシック風に描かれている場合が見られる。使い分けの理由は特定出来ません。
 容貌や裸婦は作品ごとに結構違っていて、複数のモデルを使い、デッサンしていたと思われます。大きな工房を持って、多数の作品を描きました。人物は直筆で、背景・衣装は弟子・助手に描かせたのでしょうか?「慈愛」の大部分をルーカス・クラナハ父が描いたように見えます。
慈愛(ルーカス・クラナハ父、1540年作)



 ダブリン(アイルランド)にはアイルランド国立美術館がありますがダブリン市立美術館もあり、ダブリン・シティー・ギャラリーと呼ぶらしいです。こちらの所蔵作品などを調べてみました。所蔵品などの紹介をします。
ダブリン・シティー・ギャラリーの前景(Wikipediaから)
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 この美術館には、Hugh Laneのコレクションの逸話があるようです。ダブリン産まれのHugh Laneは個人収集家で、絵画コレクションの遺産がありました。公証人が立ち会った遺書には、それらをロンドン市に寄贈するとありました。その以降にもう一度遺書を書いていて、「ダブリン市に美術館が無い限り、コレクションをロンドン市に寄贈する。ダブリン市に美術館が出来たら、そちらに寄贈する。」と書き直されました。ただし公証人立ち会いではなかったようで、どちらが有効かで揉めたようです。
 ロンドン市に寄贈されましたが、その後ダブリン市立美術館を造ったことで訴訟騒ぎになりました。1993年に39作品中31作品をダブリン・シティー・ギャラリーに返還することで和解しました。古い図鑑では、ルノアール作の「パラソル」は、ロンドン・ナショナルギャラリー所蔵となっています。
ヒュー・レイン卿の肖像(ジョン・シンガー・サージェント作)
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生前にコレクションの一部をダブリン市に寄贈して、サー(貴族)の称号を与えられたようです。続いて返還された作品を紹介します。
パラソル
(ピエール・オーギュスト・ルノワール、1878~85年作)
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エヴァ・ゴンザレスの肖像
(エドゥアール・マネ、1870年作)
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エヴァ・ゴンザレスはマネに弟子入りして、絵の手ほどきを受けた画家です。
夏の日(ベルト・モリゾ、1879年作)
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ルーヴシェンヌからの眺め(カミーユ・ピサロ、1869~70年作)
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これ以降は従来からあった所蔵・展示品です。
チュイルリー・ガーデンの音楽(エドゥアール・マネ、1862年作)
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ジョン・エドワーズの肖像(フランシス・ベーコン作)
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以降の写真はアイルランド人画家のようで、余り知らない名前です。
展示の様子(公式HPから)
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展示の様子(公式HPから)
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China and Japan(William Orpen作)
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Grayscale(Elizabeth Magill作)
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中庭の子供(ルイ・ル・ブロッキー作)
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郊外(フィリップ・ガストン、1960年代作)
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ルイ・フート夫人の肖像(ジョージ・ワッツ、1857~58年作)
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南向きの窓(Louis le Brocquy作)
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自画像(フランク・オメーラ、1884年作)
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まだ名品があるように思えますが、インターネットで見つかったのはここまでです。これから先は、訪問しないと分かりません。

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