世界美術館巡り旅

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カテゴリ: もう一度行きたい美術館

 オスカー・ラインハルト・コレクション(ヴィンタートゥール)を、もう一度行きたい美術館に挙げたいと思います。チョット不便な場所にありますが、その分自然に囲まれた隠れ家的な雰囲気です。具象的な小品・名品を収集・展示しています。規模は小さいですが、密度の高い絵画鑑賞が出来ます。ここでしか見れないという名品も少なからず展示されています。概要は「スイスの美術館」のフォルダー内の記事を参照願います。ここではそこに書ききれなかった情報や、公式HPのクリアーな作品写真を紹介します。
 チューリッヒ中央駅から30分強、チューリッヒ空港から20分強近郊電車に乗ってヴィンタートゥール駅に着きます。この町は昔、陶器製ストーブの製造・販売で栄えたそうです。今は、チューリッヒのベッド・タウンとなっています。
ヴィンタートール駅の入口付近
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駅からコレクションへの概略地図(公式HPから)
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無料シャトル・バス(次の写真)があるそうですが、乗り場が良く分かりませんでした。徒歩30分強でコレクションに着きました。途中に小奇麗な邸宅や病院があって、チョットしたハイキング気分でした。
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コレクションの2~300m手前で「乗れ」と声を掛けられましたが、もう近かったので断りました。
途中の道端の花
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コレクション入口の門
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門柱の脇に小さく「オスカー・ラインハルト・コレクション」と書いてあるだけです。写真奥が、コレクションの建物です。
コレクションのフロアー図(公式HPから)
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こんな小さな個人邸宅一階だったところに、多数の名画が展示されています。
最大の目玉であるクラナッハ作品の前で
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この二枚の絵はクラナッハの絵として度々紹介される絵です。もう一枚の目玉が、ピーター・ブリューゲル(父)の作品です。
  ピーター・ブリューゲル(父)の作品
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色合いと描写から、父の方の作品と私も思いました。
クラナッハの作品
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ハンス・ホルバインの作品
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ハンス・ホルバインが美人に描きすぎて王様からヒンシュクをかったというお見合い肖像画の下絵(事前肖像画)かと思い調べました。どうも三番目の王妃の肖像で、亡くなった後の王妃探しのお見合い肖像画だったようです。この絵の女性に似せて、お見合い肖像画を描いたと考えるのが妥当なようです。
プッサンの作品
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ルーベンスの作品
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  ヤン・ヨルダーンスの作品
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エル・グレコの作品
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ゴヤの作品
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ゴヤがこういう絵を描いていたとは知りませんでした。尋常でない上手さです。
シャルダンの作品
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コローの作品
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アングルの作品
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ドラクロアの作品
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クールベの作品
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クールベの作品
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ルノアール初期の作品
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ルノアールの最も初期の絵のひとつです。ここにあったのですネ。
ルノアールの作品
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モネと二人で同じ場所を描いて研鑽していた頃の絵です。ほぼ同じ場面のモネの絵が、(多分)メトロポリタン美術館辺りにあったと記憶します。水面がもっと深い(暗い)絵です。
自画像(セザンヌ作)
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ゴーギャンの作品
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ゴッホの作品
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ゴッホの作品
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ゴッホの作品
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ゴッホの3作品も質が高いと思います。
ドガの作品
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ロートレックの作品
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この絵もロートレックの代表作品のひとつです。
ピカソの作品
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ピカソと言えども、具象的な「青の時代」の絵しか収集していません。「具象的な名画だけを収集する」という収集家(オスカー・ラインハルト氏)の信念と眼力には感嘆します。画家の図鑑を造ろうとしたら、必ず掲載したい名品ばかりが見られました。これだけの名品を厳選して収集・展示している美術館は、世界中でも数えるほどです。もう一度行きたい美術館に相応しいと思います。

 機会があればもう一度行きたい美術館にフリック・コレクション(ニューヨーク)を挙げたいと思います。文章で書くと、「絵画が本当に好きな人が収集して、絵画を本当に好きな人の為に展示して、絵画が本当に好きな人々が運営している居心地の良い美術館」でしょうか。
【1】すばらしい収集・展示作品
   具象的な人物画・肖像画に集中して収集・展示している。
   風景画と言えども、人物が書き込まれたものが大半である。
   具象的な画風の著名画家の傑作がほぼ網羅されている。
   有名画家作品と言えども、品質の高い絵画のみを収集・展示している。
   極端に大きな作品や極端に小さな絵画は収集・展示されていない。

   全体として非常に調和のとれた展示となっていて、心地が良い。
   本ブログのアメリカ合衆国フォルダーのフリック・コレクションの絵画作品を
   ご覧ください。ここではそこで紹介しきれなかった傑作を紹介します。
ヤン・ファン・エイクの作品
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メムリンクの作品
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受胎告知(フィリッポ・リッピ作)
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ティツアーノの作品
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ティントレットの作品
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シャルダンの作品
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フランス・ハルスの作品
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フランス・ハルス作品らしく、少し微笑んでいますよネ。
ライスダールの作品
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風景画と言えども、チャント人物が描かれています。次の3作品もそうです。
コローの作品
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ターナーの作品
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モネの作品
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ルノアールの作品
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ドガの作品
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ピカソと言えども、「青の時代」の具象的な人物画が1枚だけのようです。
傑作だけが収集されています。
【2】絵画好きの為の展示
展示の様子(公式HPから)
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普段はこんなに混んでいないと思います。
中庭(公式HPから)
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絵画鑑賞に疲れたら、休憩が出来ます。
絵画の修復やクリーニングの良さは、本当に一流です。照明も一流です。
【3】館内の雰囲気が良い
   キップ売り場からギフト・ショップまで、職員の対応が良い。
   自然にふるまっているようだが品格があり、やさしさを感じる。

傑作揃いで居心地の良い美術館でした。もう一度行きたいと思います。

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