2019年7月にローマを訪問した際、パラッツォ・バルベリーニを鑑賞しました。今回はフィリッポ・リッピ作の「二人の跪く寄進者の居る受胎告知」を紹介します。
  フィリッポ・リッピは1406年頃フィレンツェの肉屋の息子に生まれましたが幼くして孤児となり、周度院で育てられ修道士となった。勉強嫌いで腕白だったフィリッポ・リッピは絵で仕えました。フィリッポ・リッピはゴシックを逸脱して、写実的・人間的な絵を描きました。1456年(50歳の時)に23歳の修道女を祭礼に紛れて自宅に連れ帰り、子(フィリッピーノ・リッポ)を設けました。当然問題になり修道院出入り禁止となりましたが、後に教皇から許され還俗して夫婦となりました。フィリッポ・リッピはボッテチェリの師匠になりますが、可成り破天荒な人物でした。
 この絵はその騒ぎを起こす前の修道士時代の絵です。二人の寄進者の前で受胎告知が演じられています。可成り無理な(俗っぽい)画面ですが、フィリッポ・リッピはヘッチャラで描いています。聖母マリアも非常に人間的に描かれています。フィレンツエの寄進者と言えば、メディチ家の人たちでしょうか?
二人の跪く寄進者の居る受胎告知(フィリッポ・リッピ、1440年作)
受胎告知と二人の寄進者 フィリッポ・リッピ
二人の跪く寄進者の居る受胎告知」の前で
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 フィリッポ・リッピの代表作の一つを鑑賞でき、満足しました。ここにはフィリッポ・リッピ作の「タルキニアの聖母」もありました。それも紹介します。これも30歳頃の作品で、前半生の作品です。
タルキニアの聖母(フィリッポ・リッピ、1437年作)
タルキニアの聖母 フィリッポ・リッピ