2012年7月にルーヴル美術館(パリ)を訪問しました。今回はレオナルド・ダ・ヴィンチ作と伝わる「ミラノの貴婦人の肖像」を紹介します。
この絵は「ラ・ベル・フェロニエール(美しき金細工商)」と呼ばれていたようです。モデルはミラノ公ドヴィーコ・スフォルツアの公妃ベアトリーチェ・デステという説と公妃の女官でドヴィーコ・スフォルツア愛人のルクレツィア・クリヴェッリという説があり、後者の方が優勢だそうです。私は同じくミラノ公ドヴィーコ・スフォルツアの愛妾チェチリア・ガッレーラを描いたと言われる「白貂を抱く貴婦人」との比較から、公妃ベアトリーチェ・デステがモデルだと考えます。理由は下記です。
① 両作品の縦横比は全く同じ1.4倍で、大きさは「ミラノの貴婦人の肖像」の方が、
一回り大きい。画家への報酬も高く、愛妾よりも高貴な女性がモデルの筈です。
② 「ミラノの貴婦人の肖像」の女性の前には手摺が描かれています。鑑賞者や画家が
近づいてはいけない高貴な女性だと描かれています。「愛妾の白貂を抱く貴婦人」
の方には手摺が描かれていません。愛妾より高貴な女性がモデルです。
この作品がレオナルド・ダ・ヴィンチの真筆かどうかで異論があり、ルーヴル美術館も贋作の可能性を前面否定していません。多数のレオナルド・ダ・ヴィンチ作品を見た経験から、これは真筆だと思います。理由は下記です。
① 真筆だという事に異論のない「白貂を抱く貴婦人」と縦横比率が全く同じで、一回り
大きい。ミラノ公妃ベアトリーチェ・デステと整合しています。
② 左に捻ったポーズと視線(瞳)が正面を見ていないのも「白貂を抱く貴婦人」と同じ。
レオナルド・ダ・ヴィンチの美意識のようです。
背景も暗い。
この絵は「ラ・ベル・フェロニエール(美しき金細工商)」と呼ばれていたようです。モデルはミラノ公ドヴィーコ・スフォルツアの公妃ベアトリーチェ・デステという説と公妃の女官でドヴィーコ・スフォルツア愛人のルクレツィア・クリヴェッリという説があり、後者の方が優勢だそうです。私は同じくミラノ公ドヴィーコ・スフォルツアの愛妾チェチリア・ガッレーラを描いたと言われる「白貂を抱く貴婦人」との比較から、公妃ベアトリーチェ・デステがモデルだと考えます。理由は下記です。
① 両作品の縦横比は全く同じ1.4倍で、大きさは「ミラノの貴婦人の肖像」の方が、
一回り大きい。画家への報酬も高く、愛妾よりも高貴な女性がモデルの筈です。
② 「ミラノの貴婦人の肖像」の女性の前には手摺が描かれています。鑑賞者や画家が
近づいてはいけない高貴な女性だと描かれています。「愛妾の白貂を抱く貴婦人」
の方には手摺が描かれていません。愛妾より高貴な女性がモデルです。
この作品がレオナルド・ダ・ヴィンチの真筆かどうかで異論があり、ルーヴル美術館も贋作の可能性を前面否定していません。多数のレオナルド・ダ・ヴィンチ作品を見た経験から、これは真筆だと思います。理由は下記です。
① 真筆だという事に異論のない「白貂を抱く貴婦人」と縦横比率が全く同じで、一回り
大きい。ミラノ公妃ベアトリーチェ・デステと整合しています。
② 左に捻ったポーズと視線(瞳)が正面を見ていないのも「白貂を抱く貴婦人」と同じ。
レオナルド・ダ・ヴィンチの美意識のようです。
背景も暗い。
ミラノの貴婦人の肖像(伝レオナルド・ダヴィンチ、1490~96年作)
白貂を抱く貴婦人(レオナルド・ダ・ヴィンチ作)
ジネーヴラ・デ・ベンチの肖像(伝レオナルド・ダ・ヴィンチ作)