フランシス・ベーコン(1909~1992年)はアイルランド生まれのイギリス人画家です。第二次世界大戦後も抽象画に距離を保ちました。ただ非常に歪んだ具象画を描いたので、具象画家とも呼び辛い画家です。
フランシス・ベーコンはダブリン(アイルランド)で、退役軍人で競馬訓練士を父にに生まれました。父の家系は、高名な哲学者のフランシス・ベーコンの異母兄に繋がっていました。小児喘息の持病から学校には行かず、個人授業で学びました。1926年(17歳)から水彩や素描を始めました。
1927年(18歳)からベルリン/パリ/ロンドンで家具設計や室内装飾の仕事を始めました。このころから油絵も始めました。1934年に個展を開きましたが、その後に自作の大部分を破棄しました。1944年から捜索を再開し、1950年からロイヤル・カレッジ・オブ・アーツで指導も始めました。
歪んだ絵を描き始める前の作品が殆ど破棄されたようで、歪んだ絵を描き始めた理由は分かりませんでした。年代順に作品を紹介します。
肖像(フランシス・ベーコン 1932年作)
23歳の時の絵です。歪んではいませんが、写実的とも言えません。何か屈折した心境にあったのでしょうか?
十字架刑(フランシス・ベーコン 1933年作)
ピカソ作ダンスからの習作(フランシス・ベーコン 1933年作)
この後に個展を開き、その後作品の大部分を廃棄しました。個展が不評だったのでしょうか?1944年に創作を再開すると、更に歪みが激しくなりました。
十字架刑(フランシス・ベーコン 1944年作)
頭 Ⅵ(フランシス・ベーコン 1949年作)
ベラスケスからの習作(フランシス・ベーコン 1950年作)
この年から教鞭に立ちました。当時の画壇に受け入れられたと思われます。
教皇(フランシス・ベーコン 1951年作)
肖像の習作(フランシス・ベーコン 1952年作)
座る姿(フランシス・ベーコン 1961年作)
ジョージ・ダイヤーの肖像の三連画(フランシス・ベーコン 1962年作)
ヘンリエッタ・モラエの肖像の三連画(フランシス・ベーコン 1963年作)
夏の三連画(フランシス・ベーコン 1972年作)
ドア通路に立つ裸婦(フランシス・ベーコン 1972年作)
ベッドの上の人の習作三連画(フランシス・ベーコン 1972年作)
自画像(フランシス・ベーコン 1973年作)
自画像(フランシス・ベーコン 1973年作)
自画像(フランシス・ベーコン 1982年作)
自画像の三連画(フランシス・ベーコン 1986年作)
人体の習作(フランシス・ベーコン 1991年作)
三連画(フランシス・ベーコン 1991年作)
なぜこのように歪んだ絵を描き続けたのか、凡人の私には分かりませんでした。