世界美術館巡り旅

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2017年07月

 2017年6月のポルトガル旅行の際、ジェロニモス修道院に行きました。ヴァスコダ・ガマの世界一周の偉業を称え1502年に着工しましたが、完成までに300年を要したとのことです。ヴァスコダ・ガマとルイス・デ・カモンイス(1524年~1580年のポルトガル国民的詩人)の遺骨が収納されているようです。
          ジェロニモス修道院全景(Wikipediaから)
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非常に長い建物です。
 リスボン国立古典美術館を鑑賞してから、トラム・バス兼用停留所に行きました。頭上に小さな掲示パネルがあり、次の車両は何番系統かと待ち時間が表示されていました。その次以降何本かの待ち時間も表示されていました。観光案内書には15番系統のトラムに乗れば良いと書かれていました。他の系統の表示や「15E」という表示がありますが、「15」という表示は出ませんでした。不安になって親切そうな中年女性に「ベレン行きたい」というと、「15番系統のレールは外された。15Eのバスに乗れば良い。」との事でした。なかなか15Eが来ないので、その女性が詳しそうな男性に聞いてくれました。「行かない。」というバスやトラムを1~2本やり過ごした後、「次バスもベレンに行く。」と教えてくれました。礼を言って乗ろうとすると、ショルダー・バッグを前に回して抱えるようにしろと身振りで教えてくれました。ローマやマドリードと比べるとスリが少ないように見えましたが、スリは居るようです。再度お礼を言って、バスに乗りました。
 バスは結構混んでいた上、次の停車場の音声案内も表示もありませんでした。段々不安になって来た処で、少なからぬ(観光客風)乗客が降りました。途中の観光名所は「ベレンの塔」に隣接している筈なので、続いて降りる事にしました。それがジェロニモス修道院近くの停車場でした。ジェロニモス修道院の前に行って、記念写真をとりました。
           ジェロニモス修道院前の記念写真
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修道院右側の建物の前から修道院左側を望む角度で写真を撮りました。 
 入場切符売り場の辺りは人が多くいましたが、それ以外の人通りはパラパラという感じでした。この日は予定が盛りだくさんで、入場せず外観を見るだけとしました。
 このあたりでも観光馬車が結構いました。ヨーロッパの観光地の定番のようです。
           ジェロニモス修道院中央部と観光馬車
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       ジェロニモス修道院左側から右を望む方向の記念写真
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           左側端までのジェロニモス修道院
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 南の方向数百メートル先に、「発見のモニュメント」が見えました。人の流れに乗って、近づくことにしました。ジェロニモス修道院と発見のモニュメントの間には鉄道が通っていて、地下道を潜って渡ると正面に発見のモニュメントが見えました。
 この日も晴れ渡って非常に暑かった。暑いけれども湿度は低く、日陰に入れば涼しかった。これが地中海気候というのかと思いました。

 2017年6月のポルトガル旅行の際に、リスボン国立古典美術館に行きました。地下鉄駅カイス・ド・ソドレで、トラムに乗り換えて向かいました。次の停留所の音声案内も無い中で最寄り停車場を過ぎたと感じて、慌てて次の停留所で降りました。通りかかった人に道を尋ねて、徒歩で10分以上戻りました。少し不安になってきたところで、美術館が見えてきました。
リスボン国立古典美術館の前景(Wikipediaから)
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開館時間前だったので、記念写真を撮りました。
リスボン国立古典美術館入り口前で
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この美術館で最も有名なのは、ヌーノ・ゴンサルヴェス作の「聖ヴィセンテの衝立」です。1470年頃の作と伝わります。ルネッサンス初期、初期フランドル派と同時代の作品です。画風から行くと、初期フランドル派に近いようです。初期フランドル派の画家から手ほどきを受けたと思われます。時代を考えると、傑作と言えると思います。赤色の発色が良いですネ。
聖ヴィセンテの衝立(ヌーノ・ゴンサルヴェス作)
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聖ヴィセンテの衝立の前で
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日本人観光客の間で有名なのが南蛮屏風です。
南蛮屏風(狩野内膳作)
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南蛮屏風の前で写真を撮っていたら女性学芸員が、「二人を撮ってあげる。」と近づいて来ました。好意に甘えて、記念写真を撮ってもらいました。
南蛮屏風の前の記念撮影
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私が最も見たかった絵は、次の絵です。
聖アントニウスの誘惑(ヒエロニムス・ボス作)
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ボス(初期フランドル派)の作品の(裏の)テーマは分かり辛い。単純な「カトリック教称賛」ではない可能性があります。聖アントニウスは、堕落した教会勢力の対極的(清貧)な象徴です。この絵のテーマは「快楽の園(教会の堕落と腐敗を風刺)」よりも推定が難しい。別の機会に考察したいと思います。
聖アントニウスの誘惑の前で
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これらの作品以外にも、名品がありました。
聖ジェローム(デューラー作)
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聖アウグスティヌス(フランチェスカ作)
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ラファエロの作品
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サロメ(クラナッハ作)
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地獄(作者不明)
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ダイクの作品
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ダイクはルーベンスの弟子で、工房の後継者のような画家です。ルーベンスを彷彿とさせる絵も多いです。
会話(ホーホ作)
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ホーホは有名なフェルメールと同時期の画家で、交流もあったようです。フェルメールを連想させる画題も描いています。
聖母子(ムリーリョ作)の前で
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ピーテルブリューゲルの作品
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お土産売り場に、ヒエルニムス・ボスの絵のような人形を売っていました。興味をひかれて、撮影しました。
ヒエロニムス・ボス風の人形
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(老眼の為)値段までは良く見えませんでした。
 聖ヴィセンテの衝立(ヌーノ・ゴンサルヴェス作)が1470年頃の作品だとは知りませんでした。描かれた年代を知ると、傑作だという感慨が深くなりました。ヌーノ・ゴンサルヴェスという画家も、一度調べてみようと思います。

 2017年6月にポルトを訪れた際、アズレージョの内装で世界一美しい駅15選に選ばれたサン・ベント駅訪問の後に周辺を散策しました。その時の写真を紹介します。
 サン・ベント駅を出て右手に見えるのが、コングレガドス教会です。外装にもアズレージョを使っている独特の雰囲気を持つ教会です。
             コングレガドス教会全景
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サン・ベント駅の北西端交差点の反対側に建っていました。近づいて撮ったのが次の写真です。
              コングレガドス教会前景
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少し西に行くと、カルモ教会が見えます。ここのアズレージョも見事です。
            斜め前方から見たカルモ教会
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          カルモ教会の側面のアズレージョ
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更に西に、ポルト大学近くまで歩きました。ポルト大学の北東にライオン広場があります。ロータリーになっていて、中心に噴水がありました。ライオンらしき装飾がありました。ライオン広場の名の起源なんでしょうか。
               ライオン広場の噴水
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       世界一美しい本屋 レロ・イ・イルマオンの二階前面
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        世界一美しい本屋 レロ・イ・イルマオンの店先
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世界美しい本屋と評判になって観光客が増え、入店するのに3ユーロ程料金を取られるようです。本を買うと、その料金が返ってくる(値引きされる)システムの様です。お金を払ってまで入店する気は起きませんでした。内部の様子を、Wikipediaの写真で紹介します。
        レロ・イ・イルマオンの内部(Wikipediaから)
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店内の階段が特に美しいと評判です。元来はポルト大学図書館、教授陣、学生が主要な顧客だったと思います。ここまで豪奢にした動機は何だったのでしょう。この費用を節約したら、本が随分安く売れたと思うのですが・・・・。何か時代的・地域的な事情があったのでしょう。

 2017年6月にポルトに行きました。ドウロ川河畔近くのサンフランシスコ教会とリベルターデ広場周辺の写真を紹介します。 
 ドウロ川河畔から少し上がると、サンフランシスコ教会、ボルサ宮、インファンテ・ドン・エンリケ公園が並んでいます。観光客がやや少なくなりました。
             サンフランシスコ教会前景
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        サンフランシスコ教会テラスからのドウロ川眺望
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サンフランシスコ教会周りは観光客がほとんどいませんでした。ドン・ルイス1世橋から少し離れているので、河畔も観光客がほとんど居ませんでした。川の反対岸に観光船が見えました。
              エンリケ航海王の像
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天気が良くて、暑い日でした。観光客も日陰で休息していました。
 この付近から坂道を上ってやや左に行くと、リベルターデ広場に出ます。広場にはドン・ペドロ4世の像や、いくつかの建物が見えました。
              ドン・ペドロ4世像
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ナポレオン軍に占領されたポルトの開放(独立)を果たした王の様です。
              ポルト市庁舎の遠景
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        ホテル・アリアドス(宮殿を改修した高級ホテル)
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何故かこの建物が目立っていました。
           リベルターデ広場を通るミサの行列
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何のミサなのかは分かりませんでした。

 2017年6月のポルト訪問の際、内装のアズレージョが素晴らしいと噂のサン・ベント駅に行きました。アメリカの雑誌「トラベル&レジャー」の世界で一番美しい駅 15選に選ばれて、一段と観光客が増えているそうです。
 ポルトには元来カンパーニュア駅があったのですが、市中央から遠く不便だった。市中央部にあった修道院跡地に、1916年にサン・ベント駅が完成しました。リスボン方面から列車で来ると、カンパーニュア駅経由でこのサン・ベント駅に到着します。
              サン・ベント駅外観
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内装のアズレージョで有名な駅ですが、外装にアズレージョが使われていないようです。奥ゆかしいというか、粋というか、なかなかのものですネ。ボザール様式というようで、パリの影響でしょうか?
 中に入って、びっくりです。ほぼ壁全面にアズレージョが貼ってありました。
               サン・ベント駅の内装
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          「セウタ攻略?」のアズレージョの前で
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               内装のアズレージョ
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               内装のアズレージョ
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               内装のアズレージョ
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内装全体では2万枚のアズレージョ(タイル)が使われているそうです。アズレージョ作家のジョルジュ・コラトが1930年に完成させたとの事です。スペインからのポルト独立の関する歴史画が描かれているとのことです。
 アズレージョが綺麗な上、実際に使われていました。ポルト市民や観光客で混雑していました。まだまだ現役の駅でした。

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